水没ピアノ  鏡創士がひきもどす事件(佐藤友哉  講談社ノベルス)

フリッカー、エナメルにつづくユヤタン氏の鏡家サーガ第3段。
今回は大きく分けて3つの話が展開されていきます。


平々凡々な日々をただひたすらに送りつづける青年
誰よりも純粋で傷付きやすい少女を必死に守ろうとする少年
密室と化した館の中で贖罪のときを待ってたり待ってなかったりする家族(執事とメイド付き)


正直、エナメル序盤読み終えたあたりで、なんで自分はこの人の本読んでるんだろうと考えたりもしました。
エナメル読み終えて、これから先も読もうかどうか迷ったりもしました。
でもでも水没ピアノはちょっと毛色が違うというか、かなり面白く読めましたよ。
というかちょっと読んで寝ようと思ったのに、気付けば既に朝6時とか久しぶりにやらかすくらいには。


ということでこれから佐藤氏の本を読もうかなーという人は水没ピアノまでは頑張って(というのも変ですが)読んでほしいかなーと。
もちろん水没まで読んでもだめだったぞーと言われても責任は取れませんけど
例えばファウストの短編読んでちょっと良いかなーって思った人がフリッカーやエナメルで脱落してしまうのはちょっち寂しいかな、と。
というか、よく考えたら別に刊行順に読まなくてはいけないなんて決まりはありませんね。
一応鏡家サーガとは冠されているものの、話自体は独立してますし。
特に水没ピアノは独立性高めで、登場人物もほとんど前2作と被ってませんね。


ということで、きっかけはファウストでもなんでもいいですけど、ユヤタン氏に興味持った人はとりあえず水没ピアノを読むことを個人的にはおすすめしますですよ。
それでもまあフリッカーとエナメルはフリッカー→エナメルで読んだ方が良いと思いますので
既読3冊でいえばピアノ→フリッカー→エナメルが個人的おすすめの読み方。
もちろんフリッカーやエナメルにはピアノにはない良さがありますけど。
あれをあれでこうできるところとか。



さてさて次は“例の”クリスマス・テロルですだーよ。
頑張るぞっ、と。