世にも奇妙な物語

  • 不幸せをあなたに

幸せを得るための踏み台となる不幸せを斡旋してくれる会社に巡り合った主人公。
着実に不幸せを乗り越えて幸せになっていくものの、徐々に願望がエスカレートしていって。


あまりにもストレート。
旦那さん関係で若干変化をつけてはいるけど、やっぱりオチがあまりにもストレートすぎるかなぁという印象。

  • 空白の人

自分の記憶の中に全く思い出せない空白の時間が存在することに気付いた主人公。
割った覚えのない鏡、動かした覚えのない目覚し時計の位置。
そして主人公の周囲で連続する殺人事件。
主人公は自分が2重人格で、もう1人の自分こそがそれらの犯人なのではないかと疑い始める。


で、主人公は2重人格でやっぱりもう1人の自分が犯人でした、というオチはあまりにもストレート過ぎではないですか。
友達関係で若干変化をつけてはいるけど、やっぱりオチがあまりにもストレートすぎるかなぁという印象。
まあミステリじゃなくてホラーなんだからいいのか。

  • 地獄は満員

某ヤの付く職業の人達をまとめる立場の主人公。
ところが病院で余命半年を宣告されて凹んでいたところに地獄が満員になったため悪人は死ななくなったという報が。
世間の人々が不死を得るために積極的に悪事をはたらく中、“とても良い人だった”部下が暴漢から主人公をかばって死亡したことをきっかけに悪人として永遠に生き続けることに疑問を持ち始める。


地獄が満員になって悪人が死ななくなるという設定は結構面白いなぁとか。
ただ、個人的には最後にやっぱり組長は真の悪人だったーって喜んでいるところで地獄の拡張工事完了の報が入って組長コロリ、というのが世にも奇妙っぽいと思ったりするのですが。
いや、なんか、こう、良かったね、で終わっちゃうのに違和感が。

  • 過去からの日記

3年前に小説家としてデビューしたものの、新作が書けずにバイトで食いつなぐ日々の主人公。
ある日古本屋でまとめ買いした本の中に1冊の日記が紛れ込んでいることに気付く。
全てのページに「今日は何も良い事がなかった」と書かれているその日記に主人公は戯れに「俺も同じ」と書き込んだ。
次の瞬間目の前で浮かび上がってくる返事。
3年前を生きる1人の少女との、時間の壁を越えた交換日記が始まる。


綺麗系。
まあ5本の内1本は綺麗系というのがお約束と言えばお約束。
細かいツッコミは無粋なのでなしとして、とても綺麗系な話で良かったですよ。
でも最後のワンシーンで台無し。
気持ち良いくらいに台無し。
ハッピーエンドが嫌いなわけじゃないですが、なるならなるでそうなるように話の流れを作って欲しいというか。
生きてるなら生きてるで、どうして約束の日に現れなかったのかを描かないとただのダメ人間更正のための御都合ストーリーじゃん。
ということで最後のシーンは主人公の幻視ということに脳内設定。

  • 開けてくれ

彼氏及び友人2人と一緒に別荘に旅行に行くことになった主人公。
当初の予定では全員一緒に別荘に向かうはずが、出発直前になって彼氏に用事ができたために彼だけが後から合流するということに。
しかし先に別荘に入り彼氏の到着を待っていた彼女の元に届いたのは、彼氏が途中で運転を誤り崖から転落して死亡したという報せだった。
悲しみに沈む主人公。
そんな中突然響くドアを叩く音と「開けてくれ」と呼びかける彼氏の声。


生死逆転というオチはあまりにもストレート過ぎませんかね。
というか「別荘に向かう3人→別荘で目を覚ます主人公」間の断絶があまりにも露骨過ぎなのではないかと。
伏線としてあそこで1回切らないといけないのはわかるとして、それでももう少し自然になんとか。
車の中で寝ていたということにして到着したところで起こされるとかじゃダメかなぁ。
建物の外を完全に生の世界として隔絶する必要があるからダメなのかな。



全体的にオチがびみょーというか、どんでん返しっぷりが足りないような気が。
過去からの日記だけは最後予想を裏切ってくれましたけど、よりにもよって最悪な方に裏切ったね。
あくまで私の好みでは、の話ですが。
とはいえ、初期設定やホラー演出は結構楽しめました。
そんなこんなでプラスマイナストントンって感じやね。